「着手を1年先延ばしにできる」という考えは危険な可能性がある
幅広い業界に影響を与える新リース会計基準の動向に、多くの経営者や経理部門が注目している。当初想定されていたスケジュールは、企業会計基準委員会(ASBJ)が2024年3月に新リース会計基準の最終案を公開、2年の準備期間を経て、2026年4月に強制適用というものだった。
しかし、改正によって大きな影響を受ける業界からの反対意見などもあり、2年とされていた準備期間は3年になる可能性が強まっている。「これでひと息つける」と思っている企業もあるかもしれない。しかし、「着手を1年先延ばしにできる」と考えているようでは、後で苦労することになるだろう。
準備期間が3年になったとしても、できるだけ早期にスタートを切る必要がある。新リース会計基準による影響範囲が非常に広いからだ。経理部門だけの頑張りで対応できるものではなく、契約管理部署や締結部署など様々な部門の協力が必要になる。
1つの参考になるのが、2019年1月以降の会計年度に適用が始まった「IFRS16号のリース会計基準」だろう。新リース会計基準は、IFRS16号とほぼ同等になると考えられる。
IFRS16号により、リース契約の借り手は原則としてオンバランス処理を求められることになった。IFRS適用済みの日本企業は数百社だが、影響が比較的大きい企業はその多くがIFRS16号への対応に3年程度の時間をかけている。
特に、不動産の賃貸借契約の多くがオンバランス化される影響は極めて大きい。小売りや飲食など多店舗を展開する企業はもちろん、多くの業界が対応を迫られることになる。新リース会計基準のインパクトと準備すべき内容について、次ページ以降で詳しく見てみたい。