既存システムに手を加えず、横断的なデータ活用を実現

 製造業にとって、QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)をめぐる要請にどう応えるかは永遠のテーマだ。特に近年は、デジタル技術の登場によって、品質やコストの領域における日本製造業の優位性が低下している。海外勢に追い抜かれないようにするためには、ものづくりのDXが急務といえるだろう。

 また、現在の顧客ニーズは、機能や価格に対するものはもちろんのこと、サポートや安全性、環境性能に関するものまで多岐にわたるようになっている。市場の声をつぶさに聞き取り、選ばれる製品を市場に提供し続けるためには、製品の企画・設計から製造、納品、保全までのエンジニアリングチェーンと、受注、出荷、流通などのサプライチェーンを密に連動させることが不可欠だ。

 重要になるのが「データ」である。エンジニアリングチェーンとサプライチェーンをまたいでデータを収集し、分析した結果を役立てる。ものづくり現場におけるデータの重要性は、これまでにないほど高まっているといえる。

 しかし、難しい問題もある。それが既存のITシステムだ。日本の製造現場では、エンジニアリングチェーンを構成するPLM、MESなどのシステムと、サプライチェーンを構成するERP、CRMなどのシステムが別々に運用されていることが一般的だ。これを統合することは簡単ではない。システム全体の見直しが必要になり、多額の投資と長い時間が必要になるからだ。

 そうした中、新たなアプローチが登場して注目を集めている。既存システムを生かしたまま、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンを横断したデータ利活用を実現するのである。キーワードは3つの“つなぐ”。次ページでその詳細を紹介する。

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