「PoC止まり」に終わりがちな製造業のAI活用
日本の製造業は、その長い歴史の中で多くの技術や知的財産、無形のノウハウを蓄積してきた。各社が一層の存在感を発揮し、グローバル市場で主導権を握っていくためには、それらの強みをさらに伸ばしていくことが欠かせない。
しかし、多くの企業がそこに課題を抱えている。ベテラン技術者の引退によって、現場の高度な業務ノウハウが失われつつある企業は少なくない。ものづくりの知識や技術が限られた技術者だけの“匠の技”になっており、全社の技術力向上に生かせていないのだ。この状態では、時が経つほどに競争力が低下してしまう可能性すらあるだろう。
状況を打開する切り札になり得るのが「AI/生成AI」だが、その活用においても課題はある。例えば、AIに学習させるデータの整備に多大な工数とコストがかかることはその1つだ。もちろん、独自技術にかかわる情報を学習させる場合は、セキュリティーにも配慮する必要がある。また、仮に環境は構築できても、回答精度の向上やハルシネーションを回避するためには継続的なメンテナンスが必要だ。
多くの企業が「まずはAIを使ってみよう」と挑戦してはいるものの、PoC止まりで実際の課題解決や新たな価値創造になかなかつながっていない。その背景にはこのような状況があるといえるだろう。
もはや猶予はない。AI/生成AIをビジネス価値につなげるためにはどのようなアプローチが有効なのか。今回は、ものづくり現場における生成AI活用の勘所と、そこに資する最新ソリューションを紹介する。