脱炭素時代の新エンジン開発に適応可能な開発環境へと刷新

 トラクターやショベルカーなどの農業機械や建設機械のメーカーとして広く知られているクボタは、世界有数のエンジンメーカーでもある。4kWから157kWまでの幅広いエンジンラインアップを保有し、特に100馬力以下の産業用ディーゼルエンジンのシェアではグローバルで市場をけん引する。2024年に生産したエンジンは約3800種類におよび、その半数以上が他の農機・建機メーカーや産業機器などへの搭載に向けて外販されている。

 現在、同社はカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として、3つのエンジンソリューションの開発に取り組んでいる。既存エンジンの高効率化によりCO2排出量を削減する「ピュアエンジンソリューション」、エンジンとモーターを組み合わせた「ハイブリッドソリューション」、水素やバイオ燃料など脱炭素燃料で動くエンジンによる「フューエルソリューション」である。

 こうした多様かつ多数のソリューションを効果的・効率的に開発するためには、実機でのトライアンドエラーを減らす数値シミュレーションの活用が不可欠になる。そこでクボタでは、エンジンを開発する際の数値シミュレーションとして構造解析、振動解析、熱流体解析、1D-CFDなどの解析技術を駆使してきた。

 「ところが、2022年頃から新機種開発の本格化に伴い計算量が急増し、計算サーバーなどの能力不足による計算待ち時間の長期化が問題として顕在化してきました。このため、CAE環境の刷新に取り組むことにしました」と、クボタ エンジン技術第三部 担当課長の末松公輔氏は語る。

 次ページでは、同社が推し進めた計算サーバーなどのフルクラウド化による、脱炭素時代のエンジン開発に対応したCAE環境整備の取り組みについて紹介する。

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