企業を取り巻くサイバー攻撃のリスクが高まる中、攻撃の起点として狙われやすいクライアントPCをどう守るかが重要な経営課題となっている。
一方で、近年は自社データセンターの運用負荷や設備更新コストの増大により、インフラの見直しを迫られる企業も増えている。さらに、生成AIの活用拡大や地政学リスクの顕在化を背景に、従来のクラウド利用のあり方も再考が進む。
しかし、機密データを扱う企業の中には、セキュリティやデータ管理の観点からクラウドへの全面移行に踏み切れないケースも少なくない。オンプレミス環境の限界と、クラウド移行の難しさ。この相反する課題の解決策として注目されているのが「ソブリンDaaS(Desktop as a Service)」だ。
「ソブリンDaaS」とは、重要なデータやITインフラの運用権限を他国・他社に奪われることのない「ソブリンクラウド」上で利用できる仮想デスクトップ環境のこと。社員が利用するPCに重要データやアプリケーションを入れず、ソブリンDaaSに接続して業務を行うことで、外部からの脅威に強く、柔軟で信頼性の高い運用を実現できる。
日本では、オラクルと富士通が数年前からソブリンDaaSのサービス開発に取り組んでおり、「FJDaaS-A」が提供されている。
2026年5月には、両社主催のセミナー「狙われるクライアント環境をどう守る? 注目の防御策『ソブリンDaaS』最前線」が開催され、最新の脅威動向に加え、ソブリンDaaSの概要や具体事例が紹介された。本稿ではその内容の一部を紹介する。