日本企業、とりわけ製造業の予算管理は大きな転換期を迎えている。東証による「資本コストや株価を意識した経営」の要請を受け、企業には事業ごとの収益性や投資効率を踏まえた、これまで以上に高度な経営判断が不可欠となった。しかし、円安や原材料高、地政学リスクが常態化する現在、硬直化した予算管理では激しい環境変化に対応できない。
そこで求められるのが、予算管理業務の変革である。折しも、2027年末の「SAP ERP 6.0」標準サポート終了に伴い、多くの企業で「SAP S/4HANA」など次世代ERPへの移行が加速している。一般にERP刷新は、販売管理や会計などの基幹システムを更新する取り組みと捉えられがちだ。しかし、基幹データが刷新されるこのタイミングこそ、予算管理を見直す絶好の機会である。単なるシステム更新にとどめるのではなく、不確実な時代に迅速な意思決定を支える「経営基盤」へと予算管理を進化させることが可能となる。
日本の製造業が目指すべき次世代の予算管理とはどのようなものか。現場の業務負荷を軽減し、同時に経営判断の高度化を支えるための具体策を次ページから解説する。