IBMが企業レベルでのAI(人工知能)活用の支援を強化している。「デジタル変革のためのAIソリューション」として「ビジネス変革のためのAIソリューション」と「IT変革のためのAIソリューション」を提供する。後者はIT部門の開発業務や運用業務に生成AIを含めたAIを活用していくためのソリューションだ。AIの活用はIT部門の業務をどう変えていくのか。今回はIT運用におけるAI活用について日本IBMの責任者に話を聞いた。
深刻な人材不足への対応は待ったなしの課題に
ビジネスのIT依存度の高まりに伴い、企業のIT運用部門の役割はますます重要になっている。しかし、その一方でIT運用部門が抱える課題は大きくなりつつある。日本IBM 技術理事の田端真由美氏は「IT運用部門の人材不足は深刻な状況です」と語る。

クラウドの普及で運用の対象となるITインフラは複雑化の一途をたどっている。IT運用部門の守備範囲は広がるばかりだ。その一方で、メインフレーム時代から運用業務を担当してきたベテランは定年などで退職していく。IT人材は奪い合いとなり、その獲得はますます難しくなっている。
「IT運用の領域ではITを駆使した自動化が進められてきましたが、それでは追いつけないほどの危機的な人材不足に陥っています。これまで自動化できなかった部分についても自動化、効率化することが求められているのです」と田端氏は現状を指摘する。
そこで期待されるのがAIの活用だ。エンド・ユーザーからの問い合わせ対応や障害発生時のリカバリー対応など、これまでITスキルを持った担当者があたるしかなかった領域についてもAIの活用で自動化できる可能性がある。生成AIを上手に活用すれば人間のアシスタントのような対応ができるだろう。
「AIを活用して自動化の範囲を広げることができれば、人材不足対策という面だけでなく、ベテランのスキルの継承や経験の浅い担当者の活用といったメリットが生まれます」と田端氏はAI活用の意義を語る。