他企業に先駆けクラウドへの大規模移行を決断
放送しているTVCMの「やっちゃえNISSAN」が印象的な日産自動車株式会社(以下、日産)。このフレーズに込められた同社のチャレンジ精神は、EV、自動運転、コネクテッドカーなど、クルマの進化の様々な領域で発揮されている。
チャレンジは技術開発の領域だけではない。ITにおいても同社は他社に先行して様々な改革を進めていることで知られる。実際、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している「攻めのIT経営銘柄」でも、日産は輸送用機器製造業の中で唯一、2015年から2018年まで4年連続で選定された。日産の中期経営計画を支えるグローバルIS/IT戦略を策定し、ビジネスの新たな価値創造に向けたサービスの提供にクロスファンクション、クロスリージョンで取り組み、効果を創出した点が評価されたものだ。
そして、同社が2018年から推進しているのが全社的なITインフラのクラウド移行だ。採用しているのは「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」である。
クラウド化の対象は、設計、開発、生産など、自動車メーカーの基幹業務にまで及ぶ。これらの業務は、機密性が高く高度なセキュリティが求められる上、システムの稼働が操業を左右することから信頼性や可用性に対する要求も極めて高い。そのため、ほとんどの自動車メーカーは、基幹業務まで踏み込んだクラウド活用に全力でアクセルを踏むためにはハードルがある状況だ。
そうした状況の中、なぜ日産はAWSへの大規模移行へと舵を切ったのか。次ページからは、決定の背景、移行プロジェクトの進捗、クラウド移行を成功へと導くために何に取り組んでいるのか、その具体的な取り組みについてキーパーソンに聞いていく。