混乱で始まったコロナ禍の1年半を振り返る

新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの働き方は大きな変化を余儀なくされた。そこで生まれているのが、新たなセキュリティリスクだ。テレワークが当たり前のものになる中、組織の外で使われるデバイスやクラウド上のシステムが増加。組織の内側を守る既存のセキュリティ対策が無効化しつつある。この状態を放置すれば、ビジネスは足をすくわれかねない。これからの時代の企業経営を支えるICTインフラはどうあるべきなのか。NTTコミュニケーションズの鈴木 彩花氏と日経BP総合研究所の大和田 尚孝が語り合った。

大和田 昨年春に緊急事態宣言が発令されてから、1年半が経ち、世の中がいろいろと変化しました。

鈴木 そうですね、なかでも劇的に変わったのが「働き方」です。この変化について当社は、大きく3つのフェーズでとらえています。第1フェーズは1回目の緊急事態宣言が出てから2020年夏ごろまで。テレワークに移行しなければならない状況が急きょ発生し、仕組みが整っているかどうかとは無関係に、半ば強制的にテレワーク化が進みました。いわば混乱期です。

NTTコミュニケーションズ株式会社<br>プラットフォームサービス本部<br>データプラットフォームサービス部<br>鈴木 彩花氏
NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス本部
データプラットフォームサービス部
鈴木 彩花氏

大和田 「まずは最低限、やれるところから」という感じでしたね。当時、テレワークをずっと続ける覚悟は、それほどなかった気がします。

鈴木 その後、2020年夏ごろには混乱は一段落しましたが、中には「不十分な設備でのテレワークに疲れた」といって、オフィスへ回帰するケースも出てきました。この流れは2020年終わりごろまで続き、当社はここを第2フェーズととらえています。

大和田 その後、2021年に入ってから現在までが第3フェーズですね。最近はどのような動きがありますか。

日経BP総合研究所<br>上席研究員<br>大和田 尚孝
日経BP総合研究所
上席研究員
大和田 尚孝

鈴木 「アフターコロナのことを考えよう」という機運が高まっていると感じます。間に合わせの仕組みではなく、抜本的な体制の見直しを目指す動きです。実際、当社でも「アフターコロナを見据えたインフラ整備を進めたい」というご相談を受けることが増えました。

大和田 最近は「在宅+オフィス」というハイブリッド型の働き方を模索する企業が増えていますが、まさに一例といえそうです。一方で、企業によって進行に差が生じているとも感じます。これを機に、制度やカルチャーも変革しようとする企業が増えつつある一方で、「社長や上司が出社しているから、自分たちも出社しよう」といった会社もまだ多い印象です。こうした状況についてはどう見ていますか。

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