欧州最大の産業展示会「HANNOVER MESSE 2023」で注目を集めるAWS

デジタル変革が進む製造業。最先端の情報が集まる場として、世界の注目を集めるのがドイツで開催される大規模産業見本市「HANNOVER MESSE」だ。2023年も4月17日~21日に開催された。約50カ国から約4000もの企業・団体が出展する会場において、ひと際賑わいを見せていたのがアマゾン ウェブ サービス(AWS)のブースである。製造業の現場に携わる人々が集まる会場で、なぜAWSが注目されているのか。その理由について、様々なメディアで製造業のデジタル革新にまつわる情報を発信している東芝の福本 勲氏がAWSに聞いた。
福本 産業用機械や装置、部品の展示が主流だったHANNOVER MESSEに、2015年ころから大手ITベンダーが相次いで出展するようになりました。AWSもその1つですが、今年のブースは一段と大きくなりましたね。
川又 AWSは2018年から継続して出展していますが、今回からブースのデザインを一新し、規模も拡大しました。
福本 力が入っていますね。
川又 ブースのデザインやレイアウトには、製造業に向けたAWSの事業コンセプトを反映しました。AWSといえばクラウドというイメージが強いかもしれませんが、分野に特化した様々なサービスも提供しています。中でも製造業は重要視している分野の1つです。クラウドサービスで製造業全体のデジタル化を支援するとともに、製造業の業務プロセス全体にわたって、「現場」の領域まで踏み込んだ様々なサービスを展開しています。それによって最小限のコストによる速やかな企業変革の実現を支援する考えです。
福本 ブース中央の天井に四角いオブジェがありますね。そこから、パイプラインのようなものが6方向に伸びています。
山本 四角いオブジェは、AWSが「Industrial Data Fabric(IDF)」と呼んでいる、データを資産として活用するための管理アーキテクチャーを象徴しています。パイプラインはデータの流れを表現したものです。デジタル変革に向けてデータの活用は不可欠ですが、そのためには企業内の組織の壁、設計、製造などのプロセス間の壁、企業間の壁を越えて、構造化されたデータにセキュアにアクセスできる環境が必要になります。それを実現するのがIDFです。
福本 つまり、IDFを中心に企業内の組織あるいは企業同士が、「横方向」に連携する仕組みを実現できるわけですね。そうした横方向の連携は、これからますます重要になるでしょうね。

川又 おっしゃる通りだと思います。パイプライン6本のデータの流れは、「Sustainability」「Production and Asset Optimization」「Smart Product」「Supply Chain」「Engineering and Design」「AWS for Industrial」という展示コーナーにそれぞれつながっています。これは製造業の様々なプロセスがデータを介して連携する仕組みを表現しているのです。
山本 各コーナーでは、分野ごとに、強みを持っているパートナー企業が各現場の課題に応じたデモンストレーションを披露しています。こうしたパートナー企業の存在も、データ活用環境を実現するうえで重要なポイントです。ICTの世界と現実の世界が一体になっている、つまり「情物一致」が実現できていなければ、データから抽出した情報を、現場にフィードバックすることはできないからです。
福本 日本の製造業では、横方向の連携があまり進んでいないのが現状です。データを介して連携する仕組みに関心を示す人は、これからもっと増えるのではないでしょうか。ところで、たくさん並んだ展示スタンドの中でも、ひと際賑わっているところがいくつかありますね。
川又 やはり、人気があるのは、実績の裏付けのある技術・サービスです。例えばAWSのブースでは、Amazonグループ企業で実際に導入している技術やサービスを数多く紹介しました。
