システム利用のハイブリッド化が進む中、新たな課題が
現在はオンプレミスとクラウドを適材適所で組み合わせるハイブリッド型のシステム活用が主流になっている。システムをクラウドに移行すれば、これまで自社で保有してきたサーバーの運用にかかるコスト・工数を削減できる。また、続々登場する先進のクラウドサービスを素早く取り入れた“攻め”のビジネス展開も容易になるからだ。
一方、そこで新たな課題になっているのが、オンプレミスとクラウドをつなぐネットワーク回線の質である。
データセンター間接続(DCI)回線の帯域不足は、社内ユーザーの業務効率や顧客向けオンラインサービスの質を低下させる要因になる。大量のデータを扱う生成AIを活用する際などは、十分な成果につなげられないといった事態も招くだろう。ネットワークインフラ担当者には、オンプレミス、クラウドの区別なく、ユーザーが使いたい時にいつでも快適にシステムを利用できる環境を整えることが求められている。
このような課題に対し、いち早く解決に向けた取り組みを進めているのがMIXIだ。スマホゲーム「モンスターストライク」のユーザー体験向上を主目的として、千葉県印西市に新たなデータセンター(DC)を設置。印西エリアはAWS Direct Connectロケーションであるため、クラウドとの低遅延接続が可能だが、一方で遠く離れた東京都内の既存DCとの接続品質をどう維持するかが焦点になった。
そこでMIXIは、数100Gbpsの帯域を低コストで利用できるオール光ネットワーク(APN)の波長貸しサービスを採用。これにより、快適で安定したユーザー体験の提供と、ネットワークコストの最適化を両立している。
次ページでは、MIXIの事例をひも解きながら、ハイブリッド型システムで企業が目指すべきネットワークの形を考えてみよう。