IFRS16号の経験、2027年適用開始の新リース会計基準で再び

 2027年4月以降に始まる事業年度から、新リース会計基準の適用が始まる。残された時間は2年を切った。新リース会計基準適用に向け、多くの企業がその取り組みを本格化させている。一方でまだ知見が少ないため、プロジェクトの準備があまり進まず、「本当に間に合うのか」と危機感を持ち始めている企業も現れ始めている。

 過去にも似た状況があった。2019年に適用開始となった「IFRS(国際会計基準)16号」のときである。新リース会計基準は、このIFRS16号をほぼ踏襲する形で改正されているため、IFRS適用企業の経験談は先行事例としてみることができる。日本におけるIFRS適用企業は現在約300社だが、その多くが当時、IFRS16号適用に向けたプロジェクトを経験している。

 IFRS16号の適用前は、ファイナンスリースかつ300万円以上の契約のみを貸借対照表に計上するのが一般的だった。対象となる契約は少なく、数十件というケースも多かったことから、多くの企業は従来通り、Excelでの管理を継続しようと考えた。

 ところが、IFRS16号の詳しい内容を見て経理部門は不安を感じた。特に、不動産の賃貸借契約をオンバランス化することの影響は大きい。それまで支社・支店で経理処理していた不動産リースの契約状況などについて、経理部門での把握が求められるようになった。経理部門での管理対象は何倍にも増加し、多くの企業が「Excelでは管理し切れない」と考えてシステム化に踏み切った。

 2027年からの新リース会計基準はIFRS16号に準じた立て付けになっており、対応準備を進める企業の一部では、かつてと同じような混乱も見られるようだ。プロジェクトの途中で大きく方針を変更するような事態は避けたい。できるだけ早期に、新リース会計基準に対応するITの方向性を明確にしておく必要がある。次ページでは、いくつかの選択肢を考えながら、方針策定のヒントを提示したい。

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