パナソニック コネクトでは今、情報システム部門の社内PCの運用管理に対し、“デジタルセルフサービス”というアプローチを提案している。同社現場ソリューションカンパニー モバイルサービス本部 ICTサービス総括部のダイレクター武淵正氏は、マイクロソフトで18年間にわたり情報システム部門の課題に向き合ってきた経験を持つ。武淵氏は情報システム部門の現状を以下のように分析する。
「経済産業省の『IT人材需給に関する調査』では、構造的人手不足の中、2030年にはIT人材が最大で約80万人不足すると見込まれており、情報システム部門を取り巻く状況は一層厳しさを増す見込みです。こうした環境下でも、インフラの安定運用とセキュリティの両立、DXの推進、生成AIなど新技術の活用、そして高付加価値業務への集中を同時に進めることが求められています。」

情報システム部門は必ずしも本業ではないと見なされがちで、コスト削減の対象となりやすい。人が足りない中で様々な要求をされ、疲弊している現状がある。特に、社員数の増加に伴い対応件数が増えるのが、社員向けPCの運用管理である。
その解決策として同社が提唱するのがPC運用管理におけるデジタルセルフサービスの導入だ。武淵氏は「デジタルセルフサービスの根幹は、ユーザーが自ら、最短で問題解決や手続き・操作、申請・設定といったアクションを完了できる仕組みを設計することにあります」と説明する。
セルフサービス化により、ナレッジの一元化と検索・ガイド・自動化を組み合わせて自己解決率を高め、ヘルプデスクへの依存を低減できる。その結果、運用負荷の低減に加え、解決時間の短縮、回答品質の標準化、オンボーディングの迅速化、インシデントの未然防止といった付加価値を生み、業務生産性と従業員の満足度向上に直結するという。
「自社で調査をすると、エンドユーザーの90%以上は問題発生時にまず自分で解決しようとすることがわかりました。しかし、社内に情報が分散し、わからないという問題が多く発生しています。企業がユーザーポータルを用意する動きもありますが、リソース不足により更新が滞り、エンドユーザーがセルフサービスとして活用できない状況もあります」
同社のデジタルセルフサービスは2025年初頭にコンセプト設計を開始した。武淵氏は「私たちの部門は、パナソニックグループ全体のPC運用を担っています。PC運用を担う当部門の負荷が上がり続けていることに気づきました。また、マイクロソフト時代にも多くの情報システム部門から同様の悩みをお聞きしており、これを自動化やセルフサービスで解決できるのではないかと考えたのがきっかけでした」と振り返る。
