総合水処理エンジニアリング企業のオルガノは、生成AIが世界的に注目され始めた2022年頃から、生成AIが業務効率化や新たな価値創造による競争力強化に役立つと考え、いち早く導入に取り組んできた。まずは多くの社員が生成AIに触れられるように、SaaSの生成AIサービスを導入し、利用を開始した。
しかし、SaaSの特徴である従量課金型のサービスでは、利用が広がるほど運用コストが膨らむという問題があった。さらに、社内文書を扱ううえでのセキュリティリスクも看過できない。そこで同社は、これらの課題を根本から解消すべく、独自の生成AI基盤の構築に踏み切った。
構築にあたり、認証基盤との複雑な連携やセキュリティ要件への対応に加え、開発中に発生する生成AIモデルのアップグレードへの対処など、次々に新たな課題が発生した。こうした状況に対し、Google Cloud プレミアパートナー※1であるアイレットに相談。同社の「Google Cloud かんたん AI パック」を用いた生成AI活用基盤を完成させた。
※1 Sell および Service エンゲージメント モデルの認定を取得
こうしてオルガノは2025年7月に本社での利用をスタートさせ、翌8月には国内のグループ会社へ展開。今後は、海外子会社への展開も計画している。利用者も利用トークン数も上昇傾向にあり、現在の月間利用数は6億トークン※2にのぼる。しかも生成AIの利用料は数万円と極めて安価だ。なぜ、これほど困難な条件下でも構築を実現できたのか。次ページでは、その鍵を握ったアイレットの存在と解決までのプロセスを語る。
※2 平均月間利用トークン:約1億~1.5億トークン(独自調べ)