AIを使う攻撃にはAIで対抗する

 サイバー攻撃の手法の中で「メール」は最も一般的で、その手口は進化を続けてきた。特に最近は、攻撃者による生成AI活用によってさらに巧妙化している。

 こうした攻撃に対抗する企業では、リスク対応にかける工数が大きな課題となっている。従来のパターンマッチング型のツールに加えて、近年はAIを活用したメール攻撃対策ソリューションも多数登場している。

 既にAIを使う攻撃者に対応するには、守る側もAIを使うことが当たり前になりつつある。しかしここで企業が導入したツールが多様化し、その機能が多くなると、対策を担う現場の工数増大を招いてしまう。

 2018年に米国で設立されたセキュリティーベンダーであるAbnormal AIは、こうしたメール攻撃への対策に、全く新しい視点を提示する。Twitter(現X)でターゲティング広告に携わっていたメンバーが立ち上げた同社は、ユーザーのWeb上でのふるまいなどをデータ化して分析・活用する「行動解析AI」を強みとしている。この行動解析AIを核としたメール攻撃対策ソリューションが、社名を冠した「Abnormal AI」である。

 もちろん、Microsoft 365やGoogle Workspaceでも標準のメール攻撃対策機能は提供されている。ただ現在はそれらをすり抜けるメール攻撃が後を絶たない。Abnormal AIを併用することで、送受信者間の関係性をはじめとするコンテキストベースの解釈を追加し、より高度かつ高精度なメールの判定・検出を実現できるという。

 次ページでは、Abnormal AIの仕組みや検出から対策までの具体的な手順、そしてこれまでメール攻撃への対策を担っていた現場の工数削減について解説していこう。