「人として大事なこと」を理解することが成長の条件
清水 宏保氏、堀井 学氏、堀川 桃香氏など、数々のトップスピードスケーターを育ててきた川原 正行氏。40年以上、第一線で選手と向き合ってきたその取り組みには、ビジネスの世界の人材育成にも通じるヒントが詰まっている。
川原先生は数々のトップスケーターやメダリストを育ててこられました。まずお聞きしたいのは1990年代に活躍した清水 宏保選手についてです。当時のやり取りなどを教えてください。
川原 彼は小学校2年生のときに、私が帯広市でつくったクラブチームに加わってスケートを始めました。小柄ですが、当時から頭抜けた瞬発力がありましたね。お父様が熱心な方で、いろいろなアイデアを出して指導していたことが印象に残っています。

川原 正行 氏
スピードスケートコーチ 1956年、北海道本別町生まれ。スピードスケート日本代表として1976年、1980年の冬季五輪に出場。引退後は指導者として多くのオリンピアンを輩出してきたほか、スケートクラブを立ち上げて小中学生の指導に当たっている。
お父様はどのようなことを教えていたのですか。
川原 技術よりも、スケート靴など道具に関する工夫が多かったと思います。また、強く印象に残っているのは、日頃からあいさつや返事について非常に厳しくしつけていたことです。おかげで清水選手については、その部分を私から教える必要がないほどでした。
「選手である前に、人として大事なことは何か」ということですね。これが備わっているかどうかで、選手としての成長も変わってくるのでしょうか。
川原 大きく変わります。基本の「き」ですね。
技術面ではどのようなことを意識して教えたのですか。