高速な演算性能へのニーズは、ハイパフォーマンス コンピューティング(HPC)だけでなく人工知能(AI)やディープラーニング、ビジネスアナリティクスの領域まで大きな広がりを見せている。本稿では、スーパーコンピューター/HPC領域におけるテクノロジートレンドを俯瞰しながら、ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)とAMDの取り組みを紹介する。
スーパーコンピューターやHPCの進化により、これまで難しかった規模でのシミュレーションが可能になりつつある。処理の高速化により新たな発見が加速し、さらなる成果が連続的に生み出されようとしている。とくに医療・生命科学、宇宙開発、気象予測、金融サービス、自動車などの製造業の領域では、データをもとにしたシミュレーションやモデリング、分析、AI・機械学習はもちろん、話題のメタバースもHPCの進化が大きく貢献するだろう。
そうしたスーパーコンピューター/HPCの進化を象徴する発表があった。2022年6月に発表されたスーパーコンピューターの性能ランキング「TOP500」で、米国・オークリッジ国立研究所の「Frontier」が第1位を獲得し、史上初となるピーク性能 1ExaFlops(1秒間に100京回以上の浮動小数点演算)超えを達成。「エクサスケールのコンピューターが誕生した」と話題になった。同時にFrontierは、性能あたりのエネルギー効率を競うランキング「Green500」、AI処理で使われる単精度/半精度演算能力を加味したベンチマーク「HPL-AI」でも第1位を獲得するという快挙を成し遂げた。
このFrontierは、HPEのハイエンドHPC「HPE Cray EXスーパーコンピューター」をベースに開発されたもので、合計9,408台の「HPE Cray EX235aシステム」で構成され、CPUには「AMD EPYC™ 7A53(Trento)64C 2GHzプロセッサー」、GPUには「AMD Instinct™ MI250Xアクセラレーター」を採用している。
本稿では、Frontierに搭載されたテクノロジーを見ながら、HPCに関する最新の技術トレンドについて、日本ヒューレット・パッカードの高橋 健氏と日本AMDの中村 正澄氏に話を聞く。